枯れ木とニネベの町
ヨナは神に対してあれこれ文句を言った後、結局そのままふて腐れてしまい、ニネベの町に戻らずに町を出たところの、さらに東のはずれへ身を移してしまった。彼はそこに掘っ立て小屋を作り、町の様子を伺っていたという。彼にはどうにも諦めの悪いところがあったようだ。遅かれ早かれまだ彼の目の黒いうちに、ニネベは神に滅ぼされしまうに違いないと妙な期待をしていたのかもしれない。そのようなヨナの気持ちも分からないでもない。彼はニネベの人々と彼らのやっていること、すなわち罪の悔い改めを信用していなかったのかもしれない。しばらく待つうちに、ぼろが出てしまうかもしれないと考えていたとしても不思議ではあるまい。もしかしたら、ヨナは自分自身のことをここで少し省みたかもしれない。とは言っても、自らのことを反省するではなく、自分自身と彼らを比較して、こう思ったかもしれない。神の下僕である自分でさえも神に背を向け、神から逃れようとしたことがあるのだから、ましてや俄かに神に立ち返ったニネベの人々のことだから、さほど日を置かずに以前のような罪に満ちた生活に戻ってしまうのではないか、と。人間不信というか、人の信仰を疑い易いのかもしれない。それに自らの信仰を基準に、他の人を量ってしまうところがあったのかもしれない。
しかしこれはヨナに限ったことではないだろう。私自身もそうであるし、さすがに他の人に聞いたことはないから正確なところは分からないから断言することはできないが、信仰者といえども、神に忠実に歩もうと努めていようとも、人というのは自分の物差しで他人を量ってしまいがちなものではないだろうか。それまで神を知らなかった者が、神を知ることになったら、それは本来喜ぶべきことであるのだが、ヨナのようにどこかそれを素直に受け入れることができないこともあるのだ。まさか、あのような人が…と考えてしまうと、どうせ続かないさ…と思ってしまうのだ。人というのは、たとえ信仰があっても、いや、むしろ信仰があるからこそ余計に、人を量ってしまいやすいのである。
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