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テオピロへ 44

ローマ皇帝に上訴することを望んだパウロは、他の囚人たちと共にローマへ向かう船に乗せられた。この旅にはルカも同行することになったようだ。もしかしたら、他の信徒やパウロの友人たちもいたかもしれない。なぜ囚人たちを乗せた船に彼らが一緒に乗船できたのか、なぜ彼らが同行することを許可されたのか、考えてみれば不思議なことである。しかし今までのことを考えてみれば、何とはなしに納得もできよう。

ローマの人々はパウロに対してどちらかというと好意を持っていたようだ。彼らの目には、パウロは彼の同胞であるはずのユダヤ人たちから不当に恨まれているように映ったことだろう。彼らにしてみれば、パウロは何の罪も犯していないのに、あたかも極悪人であるかのように恨まれていたし、何よりユダヤの王であるアグリッパでさえも、彼に何の非も見出せなかったのである。パウロに同情こそすれ、彼を憎悪する理由は何もなかったのだ。
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